Beauty in imperfection -ビューティー イン インパーフェクション-
数日前のお話なんですが、
その日は昼過ぎから雨。
郵便局に用事があって
その帰りにご飯を食べて帰ろうと思っていたんですが、
ワルン(インドネシアの小さなレストランというか定食屋というか)に入った途端に雨が降り出して。
店内を見てみたら
あれ?満席!!
私のバリ島での行動は基本バイクなので
雨の中ここから出て他の店に移動するのもちょっと・・・。
どうしようかな、と思ってたら
店の一番大きい6人席のテーブルの隅っこにおじいさんが一人で座っていて、
「ここ座ってもいいですか??」と聞いてみました。
「こんなに大きいテーブルだもん、全然いいよ」と快諾いただき相席。
やっぱり同じテーブルで黙って二人座っているもの気まずく、
ちょっとづつお話をすることに。
何でもそのおじいさん、26−7年前からバリ島に住んでいるとの事。
オーストラリアから来たと言っていましたが、その魔女っぽい風貌がヨーロッパにしか見えなくて
「ええ?オーストラリア??」
と言ったら
「よく分かったね、元はギリシャ人だけどオーストラリアに住んでたんだよ」とのこと。
私の出身が日本だというと喜んでもらえて
私の方が何故か色々日本のことを聞かせてもらいました。
26−7年前から、電気もろくにない時期からバリに住んでいることからもわかるように、
アーティストなお爺さんの様子。
(バリに住んだ頃は家に40ワット、電球1個分の電気しか来ていなかったとか)
「日本のワビサビは素晴らしいよ、ワビサビってbeauty in imperfection なんだ」と
beauty in imperfection(ビューティー イン インパーフェクション)
不完全の中の美
不完全であることの美しさ だそうです。
整っているからこそ美しいわけではない、
整っていなくてもそれはすでに美しいんだ。と
「日本製って本当に素晴らしいよね。でもね、大昔は日本製のものは嫌われてたんだよ。戦争のせいでね、日本製のものはむしろ『安物、悪者扱い』だった。それでもどんどん素晴らしいものを作って日本は日本製の素晴らしさを見せつけていったんだよ」
おじいさん日本に言ったことあるの?
と聞いてみたら
「あはは、ないよ」
と返ってきました。
この会話中、私ずっと不思議だったんですが
「・・・なんで私このおじいさんと英語で会話が通じてるんだろう??」
私、そんなに英語上手くないんですよ。
英語となると緊張して喋れなくなるタイプで。
なのに何故かこのおじいさんとは8割方伝わった会話ができていて。
実際本人にも直接言ってみたんですけど
「なんでこの英語不得意な私が、あなたと会話が成り立ってるのかが不思議でしょうがない」と。
そしたら
「うん、あなたが分かるように話してるからね。難しく喋ってもしょうがないし」
とか言うんですけどね・・・
とんだ特殊技能じゃないかと思ったりもしたんですけど。
雨が止んでお互い帰ったんですが、
なんだか不思議な午後でした。
バリ島は色んな人と出会えるのが本当におもしろいです。
こんなに色んな種類の人間が揃っていて、
それが自分の隣にいるかもしれない場所ってそうそうないんじゃないでしょうか。
ライター
ジュエリーデザイナー
金子真也
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