Ramen Dining KAZUMI オーナー片山健太 『コロナ禍でローカルに支持された高級ラーメン屋』インタビュー②

以前からの友人であり、バリ島で尊敬するビジネスマンの一人でもある片山健太さん(通称けんちゃん)。今回はラーメン屋を開くに至るまでの修行時代のお話と、その後コロナ禍に入りどのようにどんな客層を掴んでいったかのお話です。


先日公開しました「Ramen Dining KAZUMI オーナー片山健太 『バリに来たのは駐在員として。脱サラから起業へ』インタビュー①」の続きになります。

(第一話はこちらから →https://www.bali-allure.com/posts/13746482


前回のあらすじ:

ホテル開業の仕事で駐在員としてバリ島へ来た片山健太さん。もともと自分でやっていきたい思いもあり、会社員を辞め脱サラを選ぶ。その後ウブドにある友人の老舗レストランの手伝いをしながら飲食店経営を決心する。


(インタビュアー・記事:ジュエリーデザイナー金子真也)



第3回 「バリ島に住む人インタビュー」:ラーメンダイニング カズミ  オーナー 片山健太 - ②


店をオープンさせるまで できることを全部やっていった修行時代。

マヤ:この店をオープンできるようになるまで本当に結構な時間があったと思ったんだけど。でもその「待ち」の間に餃子販売したりラーメンをどこかで売ってみたりでどんどん客をつかんでいって。それが強いなぁ、と思った。

人って意外と何度も物事が進められなくなると「なんで俺こんな目にばっかり合うんだろう」ってなったりするのにそっちに持っていかない強さがすごいと思ってけんちゃんに話を聞きたいと思ったの。

片山健太(以下健太):バリのビジネスのあるあるで許認可待ちで1-1.5年かかってしまって。その間時間持て余しても仕方ないんで、お金も減っていきますし。何かできることってことで冷凍餃子を作ってバリに住んでる日本の方に売ったりして少しだけど日銭を稼いで、その後もうちょっと将来のために繋がりを作ろうってことで家に友達を招いてホームパーティーを始めたりして。

そこでまだ何屋さんをやるか決まっていないけど寿司ロール作ってみたり、ラーメン試作で作ってみたりいろんなメニューを出して友達の反応を聞いていって。

そうやって料理をちょっとづつレベルアップさせる中で、やっぱりウブドでやるなら欧米人とかに喰い込まなきゃいけない。それでいくつかあるコワーキングスペースに「うちの料理、パーティーかイベントで使えませんか?」って売り込んでみたら「ぜひぜひ!」ってことが出てきてくれたんで嫁さんと欧米人がわちゃわちゃしているパーティーに鍋釜担いで仕込んだ料理をタッパーで持っていって、寿司とかラーメンを売り出したら結構反応が良くて。

マヤ:そう言えばケータリングやってたね。

健太:オーダーいただいた方の家にバイクでいろんなもの何でも持っていきました。そういう色んな経験を経てキャパシティが上がっていったというか。三十人くらいのケータリングもやりましたからね。

マヤ:二人で?!

健太:ほぼ二人で。それに比べたら今開けてる店って全然キャパ的に小さいから可愛いもんなんです(笑)。

マヤ:今どれくらい入るの?

健太:マックス十八人くらいですね。しかも今はスタッフもいるのであの頃は修行時代でした。そうそう、その修行時代の思い出の一品を一個持ってきていて。

奥様の協力のもと世界初の餃子新聞を発行。

マヤ:あ!餃子新聞だ!!!!

健太:そう、餃子新聞。これ冷凍餃子を売り歩いてお小遣いを稼いでいるときに、どうすればクタとかジンバランの南部に住んでる人達にうちをもっと知ってもらって親しみを感じてもらえるかなと思って。

健太:嫁さんの絵心文章力を使って世界初の餃子新聞を発行してFacebookに週2,3回上げて。そしたらそれをシェアしてくれる人もいて広がっていったところもありますね。でも当時は儲からないし労働量は多いし。自分たちで作って配達して、雨でもなんでも。手元に残るお金って意外と少ない一方で減っていくお金は多いし、だから大変ではあったけど楽しかったです。夫婦二人で頼れる人がそんなに周りにいたわけじゃなかったから2人3脚でやって。

マヤ:なんか感動してきた。そうだったね。

健太:でもこのときお世話になったお客さんが今でもお店に来てくれたり冷凍食品注文してくれたりなんで。この繋がりがあるんで、さっきマヤさんが言ってくれた「与えられた時間や経験を無駄にしない」っていうのがまあできてきたのかもしれないですね。

そんな時代もあってあーだこーだやってるうちに自分の就労ビザが取れたりお店の許認可がおりたり、内装工事が終わったりで2019年11月にお店をなんとかオープンすることができた。どうなるかなってほんと手探りですけど。欧米人もラーメン・寿司が人気なのは分かったけど実際に店に来てくれるかは別なんで。

マヤ:でも結構来たよね?ハロー、ケンタ!って親しみを持ってくる欧米人は多かった気がするんだけど。

健太:今お客さんの大半はローカルですけどコロナ前は欧米人が多かったんでできるだけ声をかけるし、欧米人だとそこから会話になったりするんで名前言って覚えてもらったり。もう接近戦です!大手の大きいお店みたいな広告は打てないんで。接近戦で友達になって連絡先教えたり超地道。それで少しでもリピートしてくれる率を上げるようなネチネチしたやり方。

マヤ:やっぱほんとになにも無駄にしないよね。

健太:いや、これ失敗できなかった。いや、しても死なないけど失敗したくなかった。やれることはなんでもやろうっていう必死さはありました。

マヤ:失敗する予定ではいたくないもんね。

健太:まあでも半年くらいで潰れる店もあるけどそうはなりたくなかったんでやれることはなんでもやろう。今1号店を成功させるって段階においてはそういう弱者の戦い方で。

でもやらしいけど最後はちゃんとお店で利益を残すんだ、って行き着くような計算でやってますよ。

来て欲しいターゲットを明確に設定。お客さんの8-9割はインドネシア人ローカル。


健太:うちはお客さんを入り口で選ぶわけではないけどターゲットを明確にして来て欲しい客層、あんまりこなくてもいいなっていう客層を自分は持ってます。できるだけ理想のお客さんが来てお互いハッピーハッピーになれる関係の店になるように経営してますね。

マヤ:このきつい時期にさ、今ローカルのお客さんと欧米人のお客さんって感じかな?

健太:ローカルが今8割9割。バリ人も来ますし年末年始とかはジャワの人、旅行者も来てました。

マヤ:ここを目指してくるってことよね?ジャワから。ウブド行ったらあそこ行こうみたいな。

健太:そこまでではないですけどバリに来てからうちの広告をみたり、友達に紹介されたりとかで来てくれる人。今、通りを歩いてなんとなくあった店に入ろうって行動はないんで、みんな車とかで行き先に一直線で行くんですよ。

よし、明日はウブドにいこう。まずテガラランで写真撮って、KAZUMIでラーメン食べてスニマンコーヒーでコーヒー飲んで帰りにカキアンでケーキを買ってデンパサールに帰ろうって、すごいわかりやすい。そのルートがあって、そのルートを車なりバイクなりピンポイントで回って帰るって僕は見てるんです。

その間にある商店とかって残念ながら見向きもされずに通り過ぎられちゃう。

だからある意味厳しい時期だけど、そのルートに組み込んでもらえたらすごく大きなチャンスがある。しかもそのルートを回る人たちってライフスタイル的にインスタとかでも発信力のある人たちだからうまく入るとどんどん拡散されていく。

スニマンコーヒー、カキアンさん達には及ばないけどうちも少しそのルートに入らせてもらっていて。

いずれにせよ、今そんなふうにお客さんはローカル。コロナになってローカルに来てもらうしかない状況になったからローカルにいかに来てもらうかってところに集中せざるを得なくなって。今幸いそういう状況になったから今はそれを加速できるようにやってます。

一杯10万ルピアのラーメン。日常のちょっと特別な時に利用してもらえるラーメン屋。

健太:ローカルにもほんといろんな人がいるし、その人たちの利用シーンによって使う店が全然違う。民族的なもので言えば確かに昔からここに住んでるバリ人がいる。でもデンパサールの方に行くと自分の親とかおじいちゃんの代とかにバリに移り住んできた中華系のインドネシア人が結構ビジネスしたりお金持ちも多い。

で、うち決して安くは出してないんです。

今デンパサールに行くとローカルのお店で一杯3万ルピアとかでラーメンが食べれるんですけど、うちはレギュラーサイズで10万ルピアそれにタックスサービスで15%。日本円で1000円弱くらい。日本と変わらない値段で出してるんですが、それでも9割ローカルで週末埋まってる。

一言でローカルって言っても、なにか食べてみたいものがあればそれくらいのお金は全然使うし今日は彼女とデートだとか地方から両親が来てるからって一日観光の時とかはちょっとお金を使うわけですよね。

そういうときに使ってもらえるお店にしたい。家族とか彼女を連れてきたいと思ってもらえるお店。いずれにせよ、ローカルさま様で店が成り立っています。

まあパンデミックが落ち着けば旅行者も戻ってくるでしょうからうまくその辺の客層をミックスして賑わう店にしたいですね。

(2021年1月22日撮影 by Hisa Nojima)



こちらインタビュー記事は後日更新の第3部へと続きます!

そして第3部の記事を待ちきれないあなたに。こちらから動画でインタビュー全編ご覧いただけます。ぜひお楽しみください。

Ramen Dining KAZUMI

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インタビュー第3回↓

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